忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

知能と人種問題

 知能テストをめぐって吹き荒れる論争の嵐の源は,人種問題である。何らかの知能測定を基にして,あるグループ全体を「劣性」と名づけることは許されるだろうか。彼らの自信,プライド,ある人種の一員であるという同族意識などにこのような打撃を与える正当な理由はいったいあるのだろうか。答はもちろん否である。そして単純に否というのでなく,ジェンセンも私(注:アイゼンク)も,その他の信頼できる心理学者のうちの誰もが,いま記した差別的表現をかつて使ったことはなかった,と付け加えておこう。私たちが指摘してきたのは,グループ差は,それが存在する場合には,重複の多くを包み隠した差であるということ,また重複が存在するゆえに,あるひとつの人種や社会階層を,知能,学力,能力などの指標として用いるのはまったく不可能だ,ということである。誰もがそれぞれ,一個人として扱われるべきであり,評価の基準は客観的なものでなければいけない。

H・J・アイゼンク,L・ケイミン 齊藤和明(訳) (1985). 知能は測れるのか--IQ討論 筑摩書房 pp.316
(Eysenck, H. J. versus Kamin, L. (1981). Intelligence: The Battle for the Mind. London, Pan Mcmillan.)
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]