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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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信者と懐疑主義者

しるし,驚異,奇跡は,種々の宗教的伝統の中核部分を占めている。そうした現象には,あれこれの個人の特別な地位を証言する,あれこれの教理の真実性を証明する,あるいは宗教運動の世俗的・政治的大望を支援するなどの働きがある。信者の中には奇跡を神の存在と力を明示するものとして歓迎する者もいるが,別の者は困惑の色を隠さない。奇跡の報告など,まずたいてい超自然現象の結果ではなく,希望的観測,騙されやすさ,さらには詐欺などの人間的弱点の結果であるように思われるのだ。そんなものを容認すると,宗教が迷信的なもの,原始的なものに見えてしまうかもしれない。
 信者と懐疑主義者は,ともに,奇跡や超自然的存在を語る物語など,科学時代にあって本当に信じられるものだろうかと自問している。

トマス・ディクソン 中村圭志(訳) (2013). 科学と宗教 丸善株式会社 pp.61-62
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