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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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チンパンジーの殺し合い

チンパンジーが殺しあうことをグドールが最初に報告したとき,専門家の反応は懐疑的だった。きわめて珍しい現象で,病理的な兆候ではないか,あるいは観察しやすくするために霊長類学者が餌を与えたことの影響ではないか,と考えられたのだ。30年後の現在,殺しをともなう攻撃はチンパンジーの正常な行動レパートリーの1つであることに,もはや疑いの余地はない。霊長類学者の観察により,群れ同士の交戦で殺されたことが確認または推測された個体はおよそ50頭,群れの内部の争いでは25頭以上にのぼる。殺しが報告された群れは少なくとも9つあり,そのなかには餌付けされたことのない群れも含まれている。なかにはオスの3分の1以上が死んだ群れもあった。

スティーブン・ピンカー 幾島幸子・塩原通緒(訳) (2015). 暴力の人類史 上巻 青土社 pp.92
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