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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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消えた名誉

ナショナリズムや征服と並んで,第二次大戦後の数十年間に消えていったもう1つの理想,それは名誉だ。ルアードは控え目な調子でこう書いている。「おそらく今日では一般に,人間の命にはかつてより高い価値が置かれ,国の威信(あるいは『名誉』)に置かれる価値は低くなっている」。冷戦が最も深刻な時期にソ連の指導者だったニキータ・フルシチョフは,この新しい意識を次のように表現した。「私は仮面舞踏会で屁をこいたら自害しなきゃならんような帝政時代の役人ではない。戦争をするより引き下がったほうがましだ」。少なからぬ国の指導者がこれに同意し,かつての時代なら戦争に走ったであろうような挑発を受けても,引き下がって武器を収めるようになっている。

スティーブン・ピンカー 幾島幸子・塩原通緒(訳) (2015). 暴力の人類史 上巻 青土社 pp.462
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