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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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テロは今世紀の問題ではない

テロが21世紀の現象だと考える人がいたら,記憶力にいささか問題がある。1960〜70年代には政治的暴力の嵐が吹き荒れ,さまざまな軍隊や同盟,連合,旅団,分派,戦線などによる何百回もの爆撃,ハイジャック,狙撃が行われた。当時,アメリカでは黒人解放軍,ユダヤ防衛同盟,ウェザー・アンダーグラウンド(「ウェザーマン」とも呼ばれ,ボブ・ディランの曲の歌詞「風向きを知るのに予報官(ウェザーマン)はいらない」から命名された),プエルトリコ民族解放軍(FALN),シンバイオニーズ解放軍(SLA)などの過激派組織が活動していた。SLAは,70年代に起きた現実離れした事件の1つを起こしたことで知られる。1974年,SLAは新聞王の娘パティ・ハーストを誘拐し,洗脳された末にメンバーとなったパティは「タニヤ」という名を与えられ,銀行強盗にも加担した。7つの頭を持つコブラが描かれたSLAの旗を背に,ベレー帽に機関銃という戦闘姿でポーズをとる彼女の写真は,ニクソン大統領がホワイトハウスを去る際にヘリコプターから別れの挨拶する写真や,白いポリエステルのディスコスーツにドライヤーでセットしたヘアスタイルのビージーズの写真とともに,70年代を象徴する画像の1つとなった。

スティーブン・ピンカー 幾島幸子・塩原通緒(訳) (2015). 暴力の人類史 上巻 青土社 pp.602-603
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