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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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幸福を安泰だと思いたい

不思議なことに,人は不幸な時ばかりでなく幸福な時にも,神の正義を問いたくなるものである。自分が不幸なのはなぜか,という問いである。そしてその答えはきまって,「それは偶然ではなく,正当な根拠があるのだ」というものである。幸福な人は,誰もがそう思いたいのである。なぜなら,もし偶然に幸福なだけであれば,いずれその幸福は失われるかもしれないからである。ヴェーバー的に言うと,人は単に幸福であるだけでは満足できずに,幸福であることの権利や根拠を欲するのである。自分が幸福なのは当然だ。自分は幸福である権利がある。だから自分の幸福は安泰だ,と信じたいからである。そこに,神の祝福という補助線が見えてくる。

森本あんり (2015). 反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体 新潮社 pp.28
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