忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

初期の授業の様子

学生は,基本的に1日に1学科だけを学ぶ。なぜかと言うと,先生がいなかったからである。ハーバードに限らず,イェールでもプリンストンでも,数人の若い助手を他にすれば,専任の教員は長いこと学長1人だけで,学長は全学年の全学科を担当しなければならなかった。これはかなりハードな責務である。
 授業内容を見ると,伝統的なリベラルアーツの三学四科を基本として,ルネサンス期に加えられた三哲学(自然哲学,道徳哲学,形而上学),それに古代東方言語で成り立っていることがわかる。授業は午前中だけで,午後は各人の読書や自習にあてられた。時間割のサンプルも残っている。月曜日と火曜日には,1年生は論理学,2年生は倫理学か政治学,3年生は算術と幾何学あるいは天文学を学ぶ。水曜日は全学年がギリシア語,木曜日はヘブライ語かアラム語かシリア語を学ぶ。金曜日は修辞学である。これらをすべて担当できる教授は,よほどの者でなければならなかっただろう。明らかに,授業内容の焦点は,聖書がきちんと読めて解釈できるようになることにあてられている。

森本あんり (2015). 反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体 新潮社 pp.37
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]