ロスバートは乳児期の個性の発達に関わる7つの要素を時間の流れに沿ってまとめています。彼女によれば,(1)適応は新生児期から始まります。(2)不快感も新生児期から。(3)接近行動は新奇な物に近づこうとすることで生後2か月から。(4)いらだち/怒りも生後2か月から。(5)恐れは新奇なものを避けようとする行動で生後6か月から。(6)自己制御は10か月から。(7)親密な関係の時期は明確ではありません。
新生児期にはいらだち/怒りと恐れの感情はまだ未分化状態にありますが,やがてこの2つは別のものとして分かれます。これら7つの要素のあいだには互いに亢進して高めあったり,抑制したりという相互作用が認められます。ロスバートは7つの要素の1つが欠けているような子どもの場合,残りの要素がそれを補うだろうと考えています。
土屋廣幸 (2015). 性格はどのようにして決まるのか:遺伝子,環境,エピジェネティックス 新曜社 pp.31-32
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