したがって傑出した人物を指導教官として選ぶ利点とは,
1 その人物が属している「オールドボーイ・ネットワーク」,すなわちOB同士のつながりを利用できること(厳しい時代でも,あなたが生き残れるように手助けできる。ときには,あなたにその価値がない場合でさえ)
2 あなたと競争しないということ
である。1については,考えるまでもなく明らかに有益だろう。だが2に関しては,経験のない人にとっては説明が必要かもしれない。
もし指導教官がパーマネント・ポストを目指しはじめたばかりの若手であれば,証明すべきことはたくさんあるだろうし,学生やポスドクに出し抜かれるのを警戒し,それゆえ研究のアイデアや進展において彼らの貢献があったと認める寛容さをもちにくくなる。それとは対照的に,すでに名をなした人物が指導教官なら,学生たちの業績を誇りに思い,喜びさえ感じてくれるかもしれない。したがって,他の条件が同じであれば,すでに評価の確立した(テニュアを取得している)教員を選ぶ方が,よい選択だと言える。
ピーター・J・ファイベルマン 西尾義人(訳) (2015). 博士号だけでは不十分! 白楊社 pp.46-47
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