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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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因果関係の証明

研究者たちは因果関係があると言うために,証明をして示さねばならないと思っている。しかし具体的な証明方法を知らない場合には,因果関係がないかのようになってしまう。因果関係が分からないでとどめればいいのに,因果関係がないのと同じにしてしまう。だが,観察されたデータから因果関係の有無を推論するのなら,因果関係がないことも証明する必要がある。そして,「因果関係がない」と証明することはしばしば困難を伴う。今は因果影響がないと思える1に近いリスク比でも,もっと対象者を増加させ観察を繰り返していたら,誤差の変動に隠されていた微妙な因が影響が見えてくるかもしれない。いずれにせよ,その後さらに,定量的に描かれた因果関係の影響の測定結果から判断を導く作業が待っている。

津田敏秀 (2011). 医学と仮説:原因と結果の科学を考える 岩波書店 pp.100-101
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