人間(さらに言えば哺乳類の動物)は,2つの基本的な欲求を持つと考えられています。それは,愛されたいという欲求と,安全を確保したいという欲求です。
ヒギンスは,獲得型と防御型の目標はこの2つの欲求から生じると主張しています。
つまり,「何かを成し遂げる」「理想的な能力を身につける」という獲得型の目標は,究極的には愛情を得るためのものです。理想的な人間になれたら,他者から称賛してもらえ,愛情に囲まれた人生を送れるというわけです。
一方,「責任を果たし,ミスを避ける」防御型の目標を追求するのは,究極的には自分の身を守るためです。人から求められることをしていれば,誰からも腹を立てられたり,失望されたりしない——失敗をしない限り,問題は起こらず,平和と安全で満たされた暮らしを送れるというわけです。
ハイディ・グラント・ハルバーソン 児島 修(訳) (2013). やってのける:意志力を使わずに自分を動かす 大和書房 pp.103-104
PR