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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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同じ現象

ハロー効果は,認知的不協和を解消するためだけのものではない。具体的な評価が難しい事象について,それがどんなものなのか,だいたいのイメージをつかむために用いられる経験則でもある。私たちには重要かつ具体的で見たところ客観的な情報をつかみ,ほかのもっと曖昧な特徴をそこから判断しようとする傾向がある。たとえば,新製品の効果がわからなくても,それが評判のよい有名企業のものなら品質がよいにちがいないと思うだろう。ブランド構築はまさにこの心理を利用するものだ。ハロー効果をつくりだして,商品やサービスの好感度を高めようとするのである。また,企業の採用面接試験もハロー効果の代表的な例だ。就職希望者について最初に知る最も重要で具体的な情報はなんだろうか。出身校や学校の成績や賞罰などだろう。これらの情報——重要かつ具体的で見たところ客観的な情報——を採用担当者が知っていると,就職希望者の態度や一般的な質問への回答など,明確に判断しにくい点への評価が知らず知らず変わる場合が多い。一流大学で優秀な成績をおさめた候補者だったらどうだろう?質問への答えも立派で,仕事をしっかりこなしそうな,すぐれた人物に思えるだろう。田舎の無名大学卒で,成績もぱっとしなかったら?まったく同じ回答をしてもそれほど優秀に思えず,身なりや態度が同じでも印象はやや劣るだろう。ソーンダイクが数十年前に将校と兵士の調査で発見した現象とまさに同じである。

フィル・ローゼンツワイグ 桃井緑美子(訳) (2008). なぜビジネス書は間違うのか:ハロー効果という妄想 日経BP社 pp.93-94
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