外向性の判断と同様に優位性の判断はかなり正確であるが,これはおそらくこの2つの性格が近い関係にあるためであろう。だれがだれより「強い」かというこどもたちの判断では賢いとか格好いいとかいう他の属性の判断にくらべて合意が早くから発達し,強い合意がみられる。これは,優位性を認知することに進化上の適応価値があるとする機能主義者の立場と符合する。だれがだれより強いかという判断は他の性格の判断より正確である。これは,強さの判断が判断される人の自己評価と一致することからもわかる強い効果である。もちろんこどもたちはまったく面識のない人について判断したのではなく,容貌の情報と行動の情報があたえられていた。また,別の研究では,知らない人の優位性にたいするおとなのはんだんがかなり正確であることがしめされている。われわれは見ただけでリーダーがわかる。
レズリー・A・ゼブロウィッツ 羽田節子・中尾ゆかり(訳) (1999). 顔を読む:顔学への招待 大修館書店 pp.65-66
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