正確に見分けることが役に立つと思われるもう1つの性格特性は知性である。だれの助言に従いだれの助言を避ければいいかを知るのに役立つからである。この性格についての研究は多くはないが,初期の研究は,顔写真にもとづいた管理職者の知性の評価とその管理職者のIQの得点のあいだに中程度の関連があることをあきらかにした。しかしこの関係は,IQ得点分布のいちばん上といちばん下の管理職者については推定なので,過大評価されているかもしれない。より新しい研究では,IQ値がやや広い範囲にわたる人々の場合も知性の判断は中程度に正確であることがわかったが,正確にするには判断する人に無声映像より音のある映像を見せる必要がある。容貌が知性を正確に伝えるかどうかという問題を解決するにはさらに研究が必要である。
レズリー・A・ゼブロウィッツ 羽田節子・中尾ゆかり(訳) (1999). 顔を読む:顔学への招待 大修館書店 pp.67-68
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