ベテランの女性教師も魅力的でない子どもにより厳しい罰を与える。ある研究で教師たちは,こどもが学校で階段から落ちたときの調書を手渡され,事件直後に階段の一番上にいた生徒のなかでうすら笑いをうかべていた子の過失責任を評価するようもとめられた。調書には疑いのある子どもの写真が添えられた。容疑をかけられた子どもが魅力的でない場合は,魅力的な場合よりも,事件の責任を問われやすかった。男の子の場合魅力の程度は,その子が悪事をはたらいたと教師が信じるかどうかについては小の効果しかなかったが,その子がいたずらをしたのはまちがいないと考えた教師がくだす罰のきびしさについては中程度の効果をおよぼし,魅力的でない男の子にはきびしい罰があたえられた。興味深いことに,女の子にくだされる罰については,魅力は意味のある効果をもたなかった。教師が全員女性だったことから,やはり,異性にたいしては容貌の効果が強いことがわかった。
レズリー・A・ゼブロウィッツ 羽田節子・中尾ゆかり(訳) (1999). 顔を読む:顔学への招待 大修館書店 pp.251-252
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