先進国と途上国の競争はいまも続いている。途上国は経済発展と平均IQの上昇を果たし,いずれ先進国に追いつくのだろうか?それはおそらく,エネルギー,公害,水,食糧,人口といった喫緊の問題を解決できるかどうかにかかっている。さらに,気候,地理,市場,資源不足のせいで苦しんでいる国もある。けれども,彼らの秘めたる能力が遺伝子の制約を受けることはないと思う。つねに証拠にもとづいて社会動向を注視しているリンいわく,先進国と途上国のIQのひらきは今後縮まるかもしれない(Khaleefa et al., 2008)。 忘れないでほしい。ほとんどの途上国のIQは,現在の標準にもとづいて計算した1900年当時のアメリカの平均よりも高いのだ。