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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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PとNの非対称性

バウマイスターの研究チームが出した結論は,「ネガティブな出来事,経験,人間関係,心理状態は,ポジティブなものに比べ,人の感性により強い影響を及ぼす」というもので,非常に包括的で説得力のある結論である。「気のめいるような結論だなあ」と,皆さんは思ったかもしれない。だがネガティビティというのは,理論上,進化の過程で人類に備わった生来の特質とされている。何かを悪いものだと感じる能力(この苦い葉っぱはきっと毒に違いない……)が,生存に必須の能力であるのと同じように,ネガティブ感情もまた,生きる上で必須の感情である。感情は経験の「追跡システム」のようなもので,現在の状況は安全かそれとも避けるべきかということを,私たちは過去の感情の記憶をもとに素早く判断できる。

トッド・カシュダン,ロバート=ビスワス・ディーナー 高橋由紀子(訳) ネガティブな感情が成功を呼ぶ 草思社 pp.82
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