テキサス大学のジェームズ・W・ペネベーカーは社会的な咳を専門に研究している。彼は興味深い問題を創造的な方法で研究してきた。バージニア大学にいた頃,彼は研究助手たちの手を借りて,学部学生が講義中にする咳の数の基準値を確立した。29パーセントの学生が講義中に少なくとも1回咳をしたが,季節による変動もあり,4月より2月のほうが約3倍多く,多人数のクラスのほうが少人数のクラスよりも多く咳をした。教師に対する評価,授業に対する関心そして咳をしている学生の数の間にほぼ完全な反比例の関係があり,最も評価が高い教授が教える最も興味をそそられる授業の咳の数が最も少なかった。4月に少人数のクラスを教えているときにかなりの数の学生が咳をしたら,あまりよい兆しではないだろう。
ロバート・R・プロヴァイン 赤松眞紀(訳) (2013). あくびはどうして伝染するのか:人間のおかしな行動を科学する 青土社 pp.126
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