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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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小説

「誰に対してのものかは関係ないのです。この,読んで得るものがない,というのと,もう一つ頻繁に出てくるフレーズは,心に残るものがない,というやつですね。僕,思うんですけど,小説って,読んでなにかを得たり,読んで心に残すものなんでしょうか?それって,教科書とか聖書みたいですね。小説っていうのは,そもそも,得るものなんてないし,心に残るものでもないのでは?その証拠に,みんな読んだものを綺麗さっぱり忘れているじゃないですか。心に残るというのなら,読んだあと,もう少し振り返ってみるとか,じっくり考えてみるとか,したら良さそうなものなのに,つぎつぎと作品に手を出して乱読しまくるわけですよね。こういう読み方が,そもそもなにかを得たいとか,心に残したいとか,そういう姿勢と矛盾していると思えるのですが,いかがでしょうか」

森博嗣 (2014). 実験的経験 Experimental experience 講談社 pp.67-68
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