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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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究極の否定表現「嫌い」

「今日はですね,究極の否定表現,『嫌いだ』について考えてみましょう」
 「おお,そうですね。『嫌いだ』というのは,たしかに究極っぽいですね」
 「そうなんです。『この本を読んで,作者のことが決定的に嫌いになった』という感想で,全面否定することができます。理由とか論理を越えていますから,反論を許さない絶対的表現として用いられています。いわば捨て身の最終兵器ですね」
 「うーん,でも,好きか嫌いかは,個人的な嗜好の問題ですよね?」
 「そのとおり。ですから,『嫌いだ』とわざわざ公言しても,実際には作品の否定というよりは,その人本人の自己顕示としての意味しかありません。それでも,やはり,この評価に重みがある,と感じてしまう人が多いようです。それは,誰かから『お前は嫌いだ』と言われることを恐れている人たちが現代社会では非常に多い,ということでしょう」

森博嗣 (2014). 実験的経験 Experimental experience 講談社 pp.261
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