サイコパシーのメカニズムを説明する理論仮説として,比較的新しいものに,「性急な生活史戦略仮説」というものがあります。これは,動物に例えれば子孫を数多く残すことで,自分の遺伝子が引き継がれるように目指すという繁殖のスタイルです。
哺乳類では典型的に,少ない数の子供を手をかけて育てることで,子孫を残します。このような動物の主による違いと似たようなものが,人のパーソナリティの違いとしてもあるという考え方です。
サイコパシー傾向の高い人は,子孫を数多く残すことで,自分の遺伝子が引き継がれるように目指すという繁殖のスタイルをもつと考えられています。これをより具体的に言えば,数多くの異性と関係をもちたがると同時に,子供の世話はあまりしないというものです。もっと言えば,浮気症,気が多いといった特徴がうかがわれます。
杉浦義典 (2015). 他人を傷つけても平気な人たち 河出書房新社 pp.128-129
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