不思議なことに,いくら授業で「因果関係を表す“so”」の不思議な使い方について注意しても,多くの学生は,学期末までその不正確な使い方をやめようとはしません。これは中学の英語教科書のせいばかりにはしていられないでしょう。たとえば,この問題で毎回英文を直されてきたある学生が,学期の最後に提出する英作文で,自分が所属するサッカークラブの活動について,こんな文を書いてきました。
We had won for four years. So we must have won in the tournament. (私たちは4年間勝っていました。だから,当然なことに,そのトーナメントで勝ったはずです)
この学生に,意味不明であるこの英文で何を伝えようとしているのか訊いてみると,「私たちは,おのトーナメントで過去4年も続けて優勝してきたから,今回も優勝しなければなりませんでした」と述べたかったそうです。日本語でも論理的におかしいと思い,さらに追及してみた結果,「そのトーナメントで過去4年も続けて優勝してきて,今回も優勝したいという気持ちが強かった」という話になりました。そこで,上記の文を,
We had won the tournament for the past dour years, and we really wanted to win it this time too.
のように訂正しました。
マーク・ピーターセン (2014). 日本人の英語はなぜ間違うのか 集英社インターナショナル pp.101-102
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