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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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理由を明確に

この英文の書き手には,“Do you know why?”(なぜか分かりますか?)のように,読み手やスピーチの聞き手などに分かるはずのないことを訊くのが,ある種のレトリックだと思っているのでしょう。しかし,たとえ,日本語でエッセイを書くときや,日本語でスピーチを行うときなどにそのような質問を向ける習慣があるとしても,英語でも同じレトリックが使える,と勘違いさせてほしくないのです。
 また,さらに言えば,英語で何かの理由を述べるときには,ちゃんと理由として成立することを述べてほしいのです。上記の英文では,「なぜ将来,コンピュータ技術者になりたいのか」という理由の1つとして「コンピュータは私たちにとってとても役に立つと思っているからです」と述べられていますが,これは内容的にきわめておかしい。
 まず「コンピュータは私たちにとってとても役に立つ」ということは自明の事実なのに,“I think... .”(…と私は思っています)と言うと,それはまるで個人の意見にすぎないかのように述べてしまうことになります。
 また,「コンピュータは私たちにとってとても役に立つと思っているからです」のように,ほとんど誰もが等しく当然に思っているはずのことを自分独自の気持ちの理由として述べているのもおかしい。まるで「なぜ飛行機のデザイナーになりたいのですか」と訊かれた人が,「飛行機は私たちにとってとても役に立つと思っているからです」と答えるのと同じ感じです。あるいは,「なぜ建築学科に行くことにしたか」という質問に,「建築は私たちにとってとても役に立つと思ったからです」と説明するようなものです。

マーク・ピーターセン (2014). 日本人の英語はなぜ間違うのか 集英社インターナショナル pp.167-168
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