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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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賢いハンス

プングストの研究によって,あらゆる実験の結果を台無しにする恐れのある最も重大な要因の1つが明らかになった。それは,「実験者の期待」である。その後多くの研究で実証されているように,研究者は無意識のうちに,自分の仮説に有利なように実験の結果を曲げてしまう。プングストも,叩くのをやめてほしいと思ったときに,ハンスに無意識に合図を送っていたのだ。現代心理学では,この現象は「実験者効果」とよばれ,実験計画を立てるときには必ずこれを考慮に入れなければならない。プングストの研究は非常に有名になり,今日でも「賢馬ハンス現象」を論じるシンポジウムが開かれるほどである。

レト・∪・シュナイダー 石浦章一・宮下悦子(訳) (2015). 狂気の科学:真面目な科学者たちの奇態な実験 東京化学同人 pp.60-61
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