米国軍最初のUFO調査機関は,1947年12月に「プロジェクト・サイン」という名で設置された。1949年2月に「プロジェクト・グラッジ」へと変更され,そして1952年3月,コードネームが最終的に「プロジェクト・ブルーブック」とされた。米空軍のUFO調査機関は,こうしてその名前を何度か変えながら,1947年から1969年までの足掛け22年間,オハイオ州デイトンのライトパターソン空軍基地内に設置されていた。
ここには全米からUFO目撃報告が集められ,22年間に集まったUFO事件は計1万2618件にのぼった。このうち最後まで正体が判明しなかったものは,701件にすぎなかった。
UFOの正体の判明率を,年ごとのグラフにしてみよう。UFOの正体の判明率は,22年間をならしてみると94%に上る。UFO,つまり正体不明な飛行物体として報告が挙げられておきながら,その正体をちゃんと調査してみると,100個のうち94個までが単なる普通の物体の見誤りや,故意の嘘にすぎなかったことが判明したのだ。
つまり,「UFOを目撃してしまった」と大騒ぎをしてみても,その見たモノが本当の未確認飛行物体=UFOである確率は,せいぜい5〜6%しかないというわけだ。
さらに間違えないでもらいたいのは,ここで生き残った5〜6%の飛行物体も,あくまで未確認飛行物体の候補として生き残ったものにすぎないということだ。この5%程度の中に,エイリアン・クラフトが1個でも含まれているかどうかということは,さらに詳しいふるい分けを行ない,調査しないかぎりなにも言えない。
本当のエイリアン・クラフトを探し出すのは,空に飛んでいる何物かを指差して「あっ,UFOだ」「宇宙人の乗り物だ」と言えてしまうほど簡単なものではない,ということがおわかりいただけるかと思う。
皆神龍太郎 (2008). UFO学入門:伝説と真相 楽工社 Pp.20-21
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