以下に,4種類のUFO目撃談を引用するので,その正体は実際は何だったのか,ちょっと推理してみてほしい。
(1)「まるでマグネシウムが燃えているような輝きだった」「それは非常に明るくなり,ほとんど見ることさえできなくなった」「あまりの明るさに目が潰れそうになった」
(2)「前後左右に動いたと思ったら,ライトをチカチカ点滅させて丘の向こうに消えていってしまった」「それは信じられないような猛スピードで飛んでいった」「信じられないような鋭角なターンをした」「瞬きをする間に,何キロもすっ飛んでいってしまった」「それは,まるで我々に見てくれといわんばかりに飛んでいった」
(3)「円盤形をしていた」「ドーム型だった」「ドームのついた円盤型」「三角形だった」「球形だ」「タバコ型だった」
(4)「UFOまでの距離は,約60メートルしかなかった」
以上の4種類の目撃報告の正体は,以下の通りだった。
(1)の正体は金星。
(2)の正体は広告用飛行機。だから「それは,まるで我々に見てくれといわんばかりに飛んでいた」というのはたしかにその通りだったのかもしれない。
(3)はいずれも飛行機。
(4)は星。星までの距離が約60メートルに見えるというのも,ちょっと信じがたい話だ。明るさも,動きも,形も,その距離も,まさにメチャクチャだ。
飛行機を見て,円盤とか丸とか三角とか言っているのは,夜間飛んでいる飛行機の機体についているランプをつないで,そんな形をイメージしてしまったものらしい。
また,次のような目撃例もある。
(5)「テレビが出すような奇怪な音を発していた」(正体は星)
(6)「わたしたちの車だけを追って,宙に浮いていた。他人の車は追わず,私たちの車だけを追ってきたのだ」(正体は金星)
(7)「私たちの髪を逆立たせた」(正体は月)
こうやって並べると笑ってしまうかもしれないが,いずれも目撃者は,本気でこのように見えたと報告をしてきているのだ。人間というものは,いかによく見間違いをする生物なのかということがわかるだろう。
皆神龍太郎 (2008). UFO学入門:伝説と真相 楽工社 Pp.41-43.
PR