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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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いかによく見間違いをするものか

 以下に,4種類のUFO目撃談を引用するので,その正体は実際は何だったのか,ちょっと推理してみてほしい。
 (1)「まるでマグネシウムが燃えているような輝きだった」「それは非常に明るくなり,ほとんど見ることさえできなくなった」「あまりの明るさに目が潰れそうになった」
 (2)「前後左右に動いたと思ったら,ライトをチカチカ点滅させて丘の向こうに消えていってしまった」「それは信じられないような猛スピードで飛んでいった」「信じられないような鋭角なターンをした」「瞬きをする間に,何キロもすっ飛んでいってしまった」「それは,まるで我々に見てくれといわんばかりに飛んでいった」
 (3)「円盤形をしていた」「ドーム型だった」「ドームのついた円盤型」「三角形だった」「球形だ」「タバコ型だった」
 (4)「UFOまでの距離は,約60メートルしかなかった」
 以上の4種類の目撃報告の正体は,以下の通りだった。
 (1)の正体は金星。
 (2)の正体は広告用飛行機。だから「それは,まるで我々に見てくれといわんばかりに飛んでいた」というのはたしかにその通りだったのかもしれない。
 (3)はいずれも飛行機。
 (4)は星。星までの距離が約60メートルに見えるというのも,ちょっと信じがたい話だ。明るさも,動きも,形も,その距離も,まさにメチャクチャだ。
 飛行機を見て,円盤とか丸とか三角とか言っているのは,夜間飛んでいる飛行機の機体についているランプをつないで,そんな形をイメージしてしまったものらしい。
 また,次のような目撃例もある。
 (5)「テレビが出すような奇怪な音を発していた」(正体は星)
 (6)「わたしたちの車だけを追って,宙に浮いていた。他人の車は追わず,私たちの車だけを追ってきたのだ」(正体は金星)
 (7)「私たちの髪を逆立たせた」(正体は月)
 こうやって並べると笑ってしまうかもしれないが,いずれも目撃者は,本気でこのように見えたと報告をしてきているのだ。人間というものは,いかによく見間違いをする生物なのかということがわかるだろう。


皆神龍太郎 (2008). UFO学入門:伝説と真相 楽工社 Pp.41-43.
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