このような不協和について有名な心理学の理論があるが,それは大きな影響力をもつもので,今や心理学の主流となっている。優秀な社会心理学者レオン・フェスティンガーが1950年代半ばに提唱した「認知的不協和理論」は,私たち人間は,自分の信念と行動の間,また同時に存在する2つの信念の間に葛藤があることに気づくと,「心的な調和や協和を求めるという自然な状態」が妨害されると説明する。この妨害によって起こる不快な心的状態は,音楽で協和しない音が出されたときの聴覚的な不協和と同じくらい不快なものである。
M.R.バナージ・A.G.グリーンワルド 北村英哉・小林知博(訳) (2015). 心の中のブラインド・スポット:善良な人々に潜む非意識のバイアス 北大路書房 pp.103
(Banaji, M. R., & Greenwald, A. G. (2013). Blindspot: Hidden biases of good people. )
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