「人の心はカテゴリーの助けを借りて考えざるを得ない」というゴードン・オルポートの指摘は認めざるを得ないし,彼の言うように,カテゴリーを用いることなしに秩序ある生活は不可能であるけれども,それでも私たちはカテゴリーをつくる活動,カテゴリーを用いる活動の究極の帰結について案じるのである。オールポートはさらに言う。「いったんつくられたら,カテゴリーは通常の先入観のもととなる」。言い換えれば,私たちの脳がつくり上げるカテゴリーは,たやすくステレオタイプを引き起こす。こうして私たちは,あるカテゴリーとある偏見的な属性とを結びつける——たとえば,アフリカ人はよりリズム感をもち,アジア人は数学に優れ,女性は不注意なドライバーでうんぬんと。
M.R.バナージ・A.G.グリーンワルド 北村英哉・小林知博(訳) (2015). 心の中のブラインド・スポット:善良な人々に潜む非意識のバイアス 北大路書房 pp.148
(Banaji, M. R., & Greenwald, A. G. (2013). Blindspot: Hidden biases of good people. )
PR