内集団にいることで利益を受け取ることはだいたいにおいて可視化されにくい傾向がある。そして,これがおそらく支配的な多数派の集団が,その利益のことを指摘されるとしばしば本当に気絶するほどの反応をする理由なのだろう。ブラインド・スポットは差別と特権の両方を隠蔽し,差別する側もされる側も,特権を持つ者ももたざる者もそれに気づいていないのである。社会環境を意識的に平等に,公平にしようとする試みはどんなものであってもかなりの驚きをもってそうした抵抗に遭うのだ。
M.R.バナージ・A.G.グリーンワルド 北村英哉・小林知博(訳) (2015). 心の中のブラインド・スポット:善良な人々に潜む非意識のバイアス 北大路書房 pp.221
(Banaji, M. R., & Greenwald, A. G. (2013). Blindspot: Hidden biases of good people. )
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