相手がUFOだろうがなんだろうがちゃんと調査をすれば,もしそれがインチキであればどこかに矛盾は出てくるものだ。欧米のUFO界内部では,お互いに自分の見つけた「証拠」を振りかざしながら,「それはエイリアン・クラフトじゃない。でっち上げだ」といった論争がしょっちゅう起こっている。そして論争している双方の批判をつなぎあわせて話を1つにまとめてみると,たいていのUFO事件が誤認か嘘である,という「実態」が浮かび上がってくるわけだ。
日本のテレビを中心としたUFO報道の最大の問題点は,こういった「真面目な研究成果」を一切紹介せずに,欧米のUFO研究家がとっくにインチキと見破っている事件を,いつまでたっても「視聴率さえ取れればあとはどうでもいい。どうせ何が本当かわかるまい」とばかりにセンセーショナルに流しつづけることにある。
皆神龍太郎 (2008). UFO学入門:伝説と真相 楽工社 p.85
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