たとえば板橋,有楽町,八重洲,神田,秋葉原。これらのまちが何区にあるかをご存知だろうか。板橋は港区。八重洲は中央区。残る有楽町,神田,秋葉原はいずれも千代田区。全問正解者は相当の東京フリークだと自慢してもいいだろう。
個人的な話で恐縮ながら,筆者は千葉県の船橋市に住んでいる。人口は杉並区を上回る62万人。
数字だけ見れば東京23区を除くと,20の政令指定都市に次ぎ,全国で21番目に人口が多い大都市である。ところが,圧倒的多数の人は船橋市と聞いても「船橋」の駅かその近辺しか思い浮かばないのではないだろうか。全国の都市の大部分は船橋市と同じで,名前を聞いても代表的な拠点くらいしか思い浮かばない「渋谷型」である。
ひとつの区に多様な特徴を持つまちが同居する「杉並型」が多数を占める東京は異色の存在であり,これが東京23区の大きな特徴でもある。
池田利道 (2015). 23区格差 中央公論新社 pp.26-27
PR