「私は上昇志向の強さは,誰にも負けません。2年前は,部活の大会で2回戦敗退でしたが,皆で練習を頑張って,昨年は3回戦まで進めました」
この話は悪くはないが,「上昇志向が強い」とは言い難い事例を用いてしまっている。むしろ地道に練習を重ねることが得意,というべきではないだろうか。採用選考の場でこう学生に話されたら「上昇志向が弱いなー」という印象にならざるを得ない。また「人と接するのが得意です」と言いながら,がちがちに緊張している学生も散見される。どう見ても人と接するのが苦手そうだ。
両ケースとも,「それ,事実と矛盾していませんか?」と聞くと,「キャリアセンターでそう言え,と言われました」と答えていた。
繰り返すが,問われていることは「仕事に向かうスタイルの得意・不得意」であり,その根拠となるエピソードのレベルと,論理的に矛盾していないか,である。
太田芳徳 (2013). リクルートを辞めたから話せる,本当の「就活」の話:無名大学から大手企業へ PHP研究所 pp.77
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