ここで述べておきたいのは,「御社に入りたい!」と叫ぶ熱意は大したアピール材料にならないならない,ということだ。
熱意とはその会社のことをよく知っている,研究しているという姿,過程で伝わるものだ。似たような企業をたくさん比較すれば,どうしてこの会社はこうなんだろうと疑問がわく。それを調べたり,聞いたりすることで,情報が増える。
店舗や商品・サービスを実際に見ることができるなら,見てみればいい。社員にもたくさん会ってみればいい。その情報の多さ,「研究の熱心さ」が熱意として伝わるのだ。志望した理由や,入社して取り組んでみたい仕事を質問すれば,その熱意はすぐに伝わる。「へぇ,そんなことまで知っているの?」「よく知っているね」「競合はそんなふうなの?なるほどね」と,その企業の社員ですら知らない情報も入手して,自分なりに分析している学生に私も選考で会ったことがある。そういう人に会えば「この人は本当に当社に興味があるんだなぁ」と思うはずである。これが,まさに「熱意」というものだ。
太田芳徳 (2013). リクルートを辞めたから話せる,本当の「就活」の話:無名大学から大手企業へ PHP研究所 pp.110
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