学校名に関してですが,特定の大学から大量に採用している会社ですと,そのコミュニティでその大学の話ができるかどうか,共通の知り合いがいるかどうかの話となります。つまり仲間内での話題についていけるか否かという,コミュニケーションの問題となってきます。たとえば,社会や役所のコミュニティで出身大学によって「ちょっと仲間外れにされて,疎外感を味わったらイヤだな」とか,そういうたぐいのことです。私は外資系企業に勤務したことがありますが,海外に行ってもこうしたことはありますし,大学名の入ったTシャツを着て平気で出社してくる米国人なんかの方が愛校心や仲間意識は強いかもしれません。
しかし,社内でも社外でも上に行けば行くほど別にみんな大学名なんて気にならなくなってきて,仕事の実力や個人の人望,さらには「いくら稼いだ」ということが重要になってきます。したがって,「出世できないのは学歴のせいだ」と思ったり,「◯◯ができないのは学歴のせいだ」などと思ったりするのは,時間のムダです。
塩野 誠 (2013). 20代のための「キャリア」と「仕事」入門 講談社 pp.36-37
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