仕事と趣味を両立する人は,趣味と仕事にギャップがあればあるほど,気分転換になると言います。一方で,仕事自体を仕事だと考えていない人もいて,仕事を自分の知的欲求とか,好奇心を満たすためにやっているので,別に他のことはやらなくていいと思っている人もいます。そういう人は趣味と仕事の境界が曖昧です。そうなると,普通の人が長くても1日に7〜8時間しか仕事について考えていないのに,その人は,20時間近く仕事について考えていることになります。こういう人は,職人や技術者のような「プロ」にも多く,「プロ」の定義は,「その仕事についてずっと考えている人」だといえるでしょう。また,職人や技術者以外でも,一部の死ぬほど働いている企業経営者にとって,「仕事」とは「資本主義下における自己表現」という趣味なのかもしれません。
塩野 誠 (2013). 20代のための「キャリア」と「仕事」入門 講談社 pp.130
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