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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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パンクロック

巷間よく言われることだが,イギリスで勃興したパンク・ロックは,経済政策の不振によって景気がどん底だった70年台のイギリスの社会状況が生んだものとされる。失業して未来に希望を持てない若者のフラストレーションがパンク・ロックに共鳴した,というわけである。確かに,79年に「鉄の女」マーガレット・サッチャーが保守党内閣の首相に就任して新自由主義の経済政策を打ち出すことになったのは,イギリスの当時の時代背景が招いたもので,パンク・ロックの勃興という現象と表裏の関係をなすと言えるのかもしれない。ただし,経済問題への不満や現実社会への絶望感がそのままストレートに過激な音楽を要求した,というだけでは,パンク・ロックの発生を考究したことにはならないだろう。70年代に理念型が形成されてその姿を見せたロックが,いわば価値概念として生命を保つには,内部からの浄化作用としてロック・スピリットを先鋭化させる必要があったのだ。

林 浩平 (2013). ブリティッシュ・ロック:思想・魂・哲学 講談社 pp.49-50
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