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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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一貫した文系軽視

日本の大学政策における文系軽視は,最近に始まったことではありません。むしろ戦後一貫して,日本政府は理工系振興に力を注いできましたから,遅くとも高度経済成長期までに,国立大学は理系中心の組織になっていました。そして今日,旧帝大と呼ばれる大規模国立大学の教員の約七割が理系であるのに対し,法学部,経済学部,文学部といった狭い意味での文系教員は約一割にすぎません。国立大学教員のほぼ四人に三人が理系で,国立大学の教育学・教員養成系を除いた文系の教員比率はたった10分の1程度にすぎないのです。つまり,「文系学部廃止」が云々されるずっと以前から,日本の国立大学では理系が圧倒的有意を占め,実質的に国立理工医科大学となっていたとも言えましょう。

吉見俊哉 (2016). 「文系学部廃止」の衝撃 集英社 pp.28
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