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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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誰に「役に立つ」のか

ここで重要なのは,そもそも「役に立つ」とは,単に国家や産業界のためだけに「役に立つ」ことだとは限らないことです。国民国家や近代的企業よりもはるかに古い歴史を持つ大学は,国や産業に奉仕するために生まれた機関ではありません。その一方で,大学はその成立当初から自己目的的に,学問そのものを目的とする機関であったわけでもないのです。大学が,何かのために「役に立つ」ことは,この機関の成立の要件の1つでした。当初,それは神のために「役に立つ」(神学)ことや,人々の健康のために「役に立つ」(医学)ことであったでしょう。しかし,もう少し一般化すれば,大学は,人類や地球社会の普遍的な価値のために奉仕する知の制度として発達してきたのです。

吉見俊哉 (2016). 「文系学部廃止」の衝撃 集英社 pp.67
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