抑制性を調べるためによく使われるのは,ゴー・ノーゴー・テストだ。被験者は,ある文字や絵が出てきたらできるだけ速くボタンを押し(ゴー反応),Xの文字が出てきたらボタンを押さない(ノーゴー反応)よう,指示される。いくつかの研究において,このテストで子どもと若者を比べたところ,正確さにそれほど差はなかったが,反応を抑制するスピードは,8歳から20歳までの間に大幅に遅くなった。つまり子どもより若者のほうが,何かをしないという判断をくだすのに,時間がかかるのだ。
フランシス・ジェンセン エイミー・エリス・ナット 渡辺久子(訳) (2015). 10代の脳:反抗期と思春期の子どもにどう対処するか 文藝春秋 pp. 65
(Jensen, F. E. & Nutt, A. E. (2015). The teenage brain: A neuroscientist’s survival guide to raising adolescents and young adults. New York: Harper.)
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