専門家によると,洞察力は,自分を客観的に見る能力によるところが大きいそうだ。そしてこの能力は,前頭葉と頭頂葉から生じるので,成熟するまでに時間がかかる。青春時代は,脳で大きな変化が起きているおかげで,活力に満ちている。だがその一方で,成長途上にある10代の脳は,恐ろしい存在にもなり得る。何が起きてもおかしくはないし,その大半は悪いことだ。ティーンは,外見がほぼおとなで,多くの面でおとなのような考え方をし,学習能力は驚異的だ。しかし,ティーンにはできないことがあること,つまり彼らの認知,情動,行動には限界があることを知っておくのは非常に重要である。
フランシス・ジェンセン エイミー・エリス・ナット 渡辺久子(訳) (2015). 10代の脳:反抗期と思春期の子どもにどう対処するか 文藝春秋 pp. 74
(Jensen, F. E. & Nutt, A. E. (2015). The teenage brain: A neuroscientist’s survival guide to raising adolescents and young adults. New York: Harper.)
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