脳は,とにかく新しい情報を得ることに格別に熱心になるようプログラムされている。この,新しい情報を得ることこそが,学習の核心だ。あるニューロンどうしの間で情報が伝わり,相手を「オン」にする興奮性の信号のやりとりが増えてくると,ニューロンをつないでいるシナプスの結びつきが強くなる。脳が成長してつながりができてゆくのは,この活動の結果なのだ。実際,成長中の若い脳には,「オフ」情報を伝える抑制性シナプスよりも,興奮性シナプスの方が多い。
フランシス・ジェンセン エイミー・エリス・ナット 渡辺久子(訳) (2015). 10代の脳:反抗期と思春期の子どもにどう対処するか 文藝春秋 pp. 84
(Jensen, F. E. & Nutt, A. E. (2015). The teenage brain: A neuroscientist’s survival guide to raising adolescents and young adults. New York: Harper.)
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