つまり,ティーンの脳では,もともとストレス反応システムが過剰に活性化しているので,さらにストレスがかかると,大混乱が起きるのだ。PTSDを患うと,その後の人生を通じて,恐怖と不安に苦しむことになりかねない。青年期のPTSDは,恐怖と不安だけでなく,悲しみ,怒り,孤独感,自尊心のなさ,他者への不信などももたらす。また,行動面でも,社会的孤立,成績不振,攻撃性,性欲過剰,自傷,薬物やアルコール依存など,その影響は幅広い。
フランシス・ジェンセン エイミー・エリス・ナット 渡辺久子(訳) (2015). 10代の脳:反抗期と思春期の子どもにどう対処するか 文藝春秋 pp. 197
(Jensen, F. E. & Nutt, A. E. (2015). The teenage brain: A neuroscientist’s survival guide to raising adolescents and young adults. New York: Harper.)
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