行動中毒は,薬物中毒と同じく油断できない。なぜなら,同じ脳回路が関わっているからだ。ティーンは,脳の報酬中枢を刺激することでもたらされる急激な気分の良さに敏感で,その仕組みは,ギャンブルも,ソーシャルメディアでの交流も,コカインの吸引も同じなのだ。メンタルと行動のヘルスケアを提供するアメリカ最大のグループ,CRCヘルスグループは,インターネット中毒は確かに存在するとし,ウェブサイトと文献のどちらにも,その指標となる行動と生理学的特徴を挙げている。
学校にいない時間のほとんどをネットやコンピュータゲームに費やす
学校で居眠りをする
宿題を忘れる
成績が下がる
パソコンやコンピュータゲームを優先する
社会集団(クラブやスポーツ)から抜ける
コンピュータゲームをしていないときやパソコンに向かっていないときにいらいらする
キーボードの使い過ぎによる手根管症候群(手や指のしびれや痛み)
不眠
ネットやコンピュータゲームを続けるために食事を抜く
身なりや清潔さに気を配らなくなる
頭痛,背痛,頸痛
ドライアイや視力の問題
フランシス・ジェンセン エイミー・エリス・ナット 渡辺久子(訳) (2015). 10代の脳:反抗期と思春期の子どもにどう対処するか 文藝春秋 pp. 238-239
(Jensen, F. E. & Nutt, A. E. (2015). The teenage brain: A neuroscientist’s survival guide to raising adolescents and young adults. New York: Harper.)
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