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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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「遺伝子が決める」

しかし,一方で遺伝子が働く仕組みは想像以上に複雑で,環境や条件に大きく左右されることがわかってきた。これがもう1つの流れである。とくにここ数年間は,DNAの塩基配列に変化がなくても遺伝子の働きが活性化あるいは不活性化される「エピジェネティクス」という仕組みが脚光を浴びている。これらは総じて「遺伝子が決める」といった極端な遺伝子決定論に対するアンチテーゼとして語られることもある。大事なのは,遺伝子が「ある」か「ない」かではなく,どのような条件のもとで働くかだ——そうした視点で考えてみると,一人ひとりが生まれつき持っている遺伝素因より,生まれた後でいかに制御するかが重要ということになる。

行方史郎 (2015). IQは金で買えるのか:世界遺伝子研究最前線 朝日新聞出版 pp.9
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