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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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好みの年齢

この考えを検証するには,年齢についての好みを違う角度から見る必要があった。それまでの研究は,恋人募集の広告を出した人たちを年齢を問わず一緒くたに扱って,男女の平均年齢の違いを報告しただけのものだった。そこでキーフと私は広告を年齢別に分類し,その結果,男は少し年下の女を,女は少し年上の男を求めるというだけではない,もっと複雑なパターンを明らかにした。驚くべきことに,そのパターンは,男女のそうした行動について社会科学が行っていた標準的な説明とは,根本的に違うものだった。
 女性の好みの年齢については問題がなかった。女性は,いくらか年上の男性を求め,その一般的な傾向は生涯を通じて変わらない。これは研究者たちがそれまで説明してきたとおりだ。この傾向は,意外なことに,対象となる年上の男性が少ない60代の女性でも変わらなかった。
 でも男性の好みは年齢によって劇的に変化していた。たとえば,とくに若い男性たちは,優位に立つために自分より若い女性を求めると社会的には考えられていたが,実際にはそれに反して,幅広い年齢層の女性に興味を抱いていた。標準的な25歳の男性は,年下の20歳と年上の30歳の女性の両方に関心をもっていた。その後の研究で,10代の少年の多くは,自分よりも少しだけ年上——大学生くらいの年齢——の女性に惹かれていることがわかった(同時に彼らは,自分が相手にされないだろうとも考えていた)。しかし年をとるにつれ,好みのパートナーは自分よりも5歳から15歳年下の女性へと移る。55歳ともなると,若い女性に対する欲望はさらに極端になる。この1980年代末の分析では,エルヴィス・プレスリーを聞いて育った世代の男性たちが,U2のライブに向かう少女たちに色目を使っている一方で,同じロカビリー世代の女性たちは,フランク・シナトラ世代から求婚されることを望んでいた。

ダグラス・ケンリック 山形浩生・森本正史(訳) (2014). 野蛮な進化心理学 白揚社 pp. 97-98
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