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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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部屋の明るさ

暗い研究室で悪戦苦闘していたころ,部屋そのものが悪影響を生んでいるとは夢にも思わなかった。最初の暗い部屋は,誰にも邪魔されずに,静かに研究と執筆に没頭できる絶好の隠れ家だった。そういう環境にずっと憧れていたくらいだ。それに,不満があったとしても,下っ端教員の私にはどうしようもなかった。与えられた部屋で研究をする以外になかったのだ。しかし,部屋の暗さが私の暗い精神状態に追い打ちをかけていたことは間違いない。明るい部屋で仕事をしていれば,もっと明るい日々を送れていただろう。いまでも,研究室の暗さと一緒に,当時の重苦しい気持ちをありありと思い出すことができる。

タルマ・ローベル 池村千秋(訳) (2015). 赤を身につけるとなぜもてるのか? 文藝春秋 pp.130
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