忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

バーナム

ナチ党の運動に亀裂が入っているといううわさや,11月6日に行なわれた国会選挙でナチ党の得票が落ち込んだという事実もあり,これと似たような幻想を抱く者はシュライヒャーのほかにもいた。アメリカ大使サケットの場合はむしろ,第三党の共産党が議席を伸ばしたことのほうを気にかけていた。サケットは,左翼は極右よりも危険だとみなしていたのだ。共産主義の脅威に対抗するためには「当時はきわめて中央集権的な,多少軍事寄りの政権を持つことが重要なのはあきらかだった」とサケットは述べている。彼はワシントンに対し,ヒトラーはどうやら「自分ひとりによる支配」を狙っており,彼とゲッペルスは「さまざまなできごとを,自分たちの妄想や目的に都合のいいようにねじ曲げる名人で,また疲れを知らない雄弁家」であると報告するいっぽうで,その言葉の端々にはこのナチ党リーダーを馬鹿にしているような響きも感じられ,ヒトラーのことを「P.T.バーナム[1810〜91年。人気サーカス団を設立したことで有名]以来の大物芸人」と評していた。

アンドリュー・ナゴルスキ 北村京子(訳) (2014). ヒトラーランド:ナチの台頭を目撃した人々 作品社 pp.142-143
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]