他方,F尺度と非質問紙的測度との間に得られる関連の強さは,一般に低い。実際のところ,質問紙から推測されるほとんどすべてのパーソナリティ次元を,異なる手段で——つまり,他の質問紙ではなく——抽出された反応を含むほとんどすべての考え得る外的基準に関連づける研究では,.20から.30の間の相関が繰り返し見いだされているが,これを記述するために,「パーソナリティ係数」という語が作られるかもしれない。一般に,そのような相関はあまりにも低すぎて,大まかな選抜のふるい分け以外のほとんどの個人測査の目的に対しては価値がない。そのうえ,得られた関係のネットワークは,しばしばあまりにも散漫で,理論的に理解できない。そして最後に,パーソナリティ測度間で得られる相関は,ある程度は,単にそれらが知能や教育程度と,共通して関連をもつことを反映しているにすぎないかもしれない。
ウォルター・ミシェル 詫摩武俊(監訳) (1992). パーソナリティの理論:状況主義的アプローチ 誠信書房 pp.82
(Mischel, W. (1968). Personality and assessment. New York: John Wiley & Sons.)
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