忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

深層の力

こうした見方にならえば,驚くような物語——伝説の英雄の生涯や,自然に宿る神々の力,死者の霊魂,トーテムの祖先の話として語られる物語——を通して,人間の意識的な行動パターンに隠された無意識の欲求や恐れ,緊張に象徴的な表現が与えられる。言い換えれば,神話は,伝記や歴史,宇宙論として誤読されている心理学なのである。現代の心理学者は,神話本来の意味を解釈し直し,それによって,人間性の最深部に眠る説得力のある記録を今の世に救い出すことができる。そこに表れるのは,X線透視装置で見るように,謎多きホモ・サピエンス——西洋人や東洋人,未開人や文明人,現代人や古代人——の,隠された変遷である。私たちの目の前にすべての場面が展開する。私たちはそれを読み解き,一定のパターンを調べ,バリエーションを分析するだけでよい。そうすれば,人類の運命を決め,公私両面の人生を左右しているに違いない深層の力を理解できるようになる。

ジョーゼフ・キャンベル 倉田真木・斎藤静代・関根光宏(訳) (2015). 千の顔をもつ英雄[新訳版][下] pp.100
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]