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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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試練にのぞむ

現代の英雄,つまり自分が呼び寄せられたことを気にかけ,人類が運命をともにする存在の住まう場所を探し求める個人は,自分が属する共同体が,うぬぼれた恐怖,合理化された欲望,聖化された勘違いといった古い衣服を脱ぐことを期待できない。ニーチェは次のように語っている。「生きよ,あたかもその日が来たかのように」創造する英雄を社会が導き救うのではなく,反対に,創造する英雄が社会を導き救うのである。こうして,私たち一人ひとりが究極の試練にのぞむ(救世主の十字架を担ぐ)。しかも,社会全体が大勝利をおさめる輝かしい瞬間にではなく,個人的絶望のうちに黙々と試練にのぞむのである。

ジョーゼフ・キャンベル 倉田真木・斎藤静代・関根光宏(訳) (2015). 千の顔をもつ英雄[新訳版][下] pp.291
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